「指しゃぶり、そろそろやめさせた方がいい?」「いつも口がぽかんと開いている」——どちらも、歯ならびやお口の発育に関わる大切なサインです。この記事では、指しゃぶりと口呼吸が歯ならびに与える影響、やめどきの目安、家庭でできる対策を、小児歯科医の視点でまとめました。
1. 指しゃぶりは何歳まで大丈夫?歯ならびへの影響
指しゃぶりは赤ちゃんにとって自然な行動で、3歳ごろまでは無理にやめさせなくてよいとされています。多くは成長とともに自然に減っていきます。
気をつけたいのは、強い指しゃぶりが長く続いた場合です。指で前歯や上あごを押し続けることで、次のような歯ならび・噛み合わせの変化につながることがあります。
◆ 上の前歯が前に出る(出っ歯ぎみ)
◆ 前歯が噛み合わず、上下にすき間があく(開咬/オープンバイト)
◆ 上あごの幅が狭くなる
ひとつの目安として、永久歯の前歯が生えてくる5〜6歳ごろまでに指しゃぶりが続いているときは、一度歯科で相談するとよいでしょう。それより前なら、あせらず見守って大丈夫なことがほとんどです。
2. 口呼吸(口ぽかん)が歯ならび・発育に与える影響
実は、指しゃぶり以上に気をつけたいのが「口呼吸」です。本来、お口は閉じて鼻で呼吸するのが自然な状態。いつも口が開いていると、舌やくちびるが歯を支えるバランスがくずれ、歯ならびや顔の成長に影響することがあります。
口呼吸が続くと、次のような影響が指摘されています。
◆ 歯ならびが乱れやすくなる(あごが正しく育ちにくい)
◆ 前歯が乾いてむし歯・歯肉炎のリスクが上がる
◆ 口が渇き、口臭の原因になることがある
◆ 風邪をひきやすい、寝ているときにいびきをかく、など
歯ならびは「歯を並べる」だけでなく、舌・くちびる・呼吸といったお口の機能と深く関わっています。だからこそ、小さいうちから正しい鼻呼吸を育てることが大切です。
3. 口呼吸・口ぽかんのサイン
次のようなようすが見られたら、口呼吸のサインかもしれません。
◆ 起きているとき、気づくと口が開いている
◆ 寝ているとき口で呼吸している・いびきをかく
◆ くちびるがいつも乾いている・がさがさしている
◆ 食事のとき、くちゃくちゃ音がする・飲み込みづらそう
◆ 姿勢が崩れやすい(猫背など)
いくつか当てはまるからといって、すぐに問題というわけではありません。ただ、こうしたサインは「お口の育ち方を見直すきっかけ」になります。
4. 家庭でできること・受診の目安
家庭では、次のようなことが助けになります。
◆ 鼻づまりがあるときは耳鼻科で相談する(鼻で呼吸できる状態にしてあげる)
◆ よく噛んで食べる習慣をつける(あごやお口まわりの筋肉が育ちます)
◆ 「お口とじようね」とやさしく声かけする(叱らずに、気づかせる)
◆ 正しい姿勢で食事・遊びをする
指しゃぶりも、叱るより「できたらほめる」「日中に手を使う遊びに誘う」など、前向きな声かけが効果的です。
そのうえで、5〜6歳を過ぎても指しゃぶりが続く、口呼吸が気になる、歯ならびや噛み合わせが心配——というときは、小児歯科や歯ならびの相談ができる歯科医院に一度相談してみてください。早めに気づくほど、お口の発育をよい方向に導きやすくなります。新潟県内で相談先を探すときは、このサイトの検索もご活用ください。